類似チャート検索について

ある程度解説が必要だと思うので書いておきます。

何のために使うのでしょうか?

急騰あるいは急落を事前に察知したいというのは、短期売買を手掛けるトレーダーの永遠の夢であるといえます。もちろん確実に察知するのはインサイダー情報でも持っていない限りできないのですが、熟練したトレーダーであれば「なんとなく怪しい」というレベルの感覚は持ったことがあり、その予感が的中したこともあると思います。

Tacticoの類似チャート機能は、最終的にはその感覚を可視化することを目指しています。最近数日のA銘柄の動きと、過去のB銘柄の動きに類似性を見出し、B銘柄の当時の動きがA銘柄の未来をある程度予測できるのではないか、というのが発想の大もとです。

もちろん、類似性を見出す精度を上げても将来の予測精度とは大した相関性はないでしょうし、トレーダーにとっては参考程度の情報でしかありません。ですが、多くのチャート事例に触れること、ふだんマークしていない銘柄に気づきを与えること、はトレーダーとしての実力向上につながると信じています。

どのように実現しているのでしょうか?

技術的には、初歩的な機械学習のテクニックです。(最近流行のディープラーニングやらLLMやらとは関係ない、オーソドックスな手法です)

数日間のチャート断片を切り取ってきたものを大量に収集し、類似しているものでグループを作るというものです。けっこう苦労したのが類似度判定の閾値でした。きわめて似ているものしか検出しない、とすると発見する事例数が少なすぎて面白くないし、逆にその条件を緩めると検出数は多くなるものの人間の目には類似性があると感じられなくなるので、その中間をとるようにしています。

いずれにしても実験的な機能なので、ユーザの意見も参考にしながら将来この機能をどうするかのデザインを変えていくつもりです。

その他のルール

  • 日々の売買代金が少なすぎる銘柄は参考にならないので最初から除外しています。
  • 日々の値動きの変動が少なすぎるもの(TOBがかかっている銘柄において顕著です)も、やはり参考にならないので除外しています。
  • 株価指数やコモディティに連動するETF類も最初から除外しています。