相場のレビュー 2022/6/24

3月から急速に円安が進み、これについては果敢にUSD/JPYロングでけっこうな利益(3カ月で4000万円)を得たわけですが、ここ数日でちょっと潮目が変わってきた感じがする。

原油とアメリカ長期金利はチャート上目先の天井をそれぞれ6/8, 6/14につけたようにみえる。これまでの動きが早すぎたので、しばらくはこれまでの動きの逆、つまり株高・円高になりそうだが、休憩の範囲内だろう。

なにしろ、アメリカは物価上昇率が8%とか言っている中、まだ長期金利3%・短期金利2%ですからね。利上げの打ち止め感が出るまでは安心してUSDJPYロング。日本は目新しい政策が出る見込み0だし。ユーロや中国から何か出る可能性は無論あるが、読めないので当面無視。

次に本質的な動きが出るのは、利上げがインフレ率に追い付いてきて、かつ時期日銀総裁の人事が固まってくる11~12月でしょう。それまでは多少の上下はあるだろうけど、「大きな動きはない」が基本スタンス。事前にそれを読むのは難しいので、何か偶発的に起きた中規模の変動を待ってから逆張りで短期のポジションを取る、くらいにします。

相場の予想:FOMC後は短期的株高

報道によると今晩からのFOMCで0.75%利上げ予想が市場に広がり、それがここ数日の株価急落になっているらしいが、僕は利上げは0.5%だと思う。中央銀行の役目の1つは相場変動をなだらかにすることなので、株価にも配慮するという観点から0.5%にするだろう。仮に0.75%にすると、今後も0.75%を連打する必要に迫られる可能性が高く、それはリスクが高すぎるだろう。

仮に0.75%だったとしても、それはそれで不透明感の払拭なのでどのみち相場は揺り戻しになって、日本時間では今週木・金曜ぐらいはけっこうな株高になるのではと想定している。水曜のイブニングセッションで先物買い・コール買いをするつもり。

もっとも、全体的状況としては本格的なスタグフレーションは確実であり、長期的には株価はまだ下があるだろう。

一方FXは、世界一利上げに積極的なUSDを買い、世界一利上げに消極的なJPYを売るのが相変わらず鉄板。実は、「世界的金利高がきたならばJPYは動かず(動けず)、一方的円安になる」という読みは数年前からもっていて、3月の時点でこの読みで大胆にポジションを取ってるんだよね。3カ月で資産は50%増えました。直近では怖くなってレバレッジは落としてますが、まだ当面はUSD/JPYロングが主力部隊です。

面白いのは、プーチンの暴走から円安に火が付くまで1カ月弱のタイムラグがあったことだ。原油相場はもっと早くから反応してたのに、円相場が放置されていた時間帯がけっこうあるというのは、相場は知恵次第でいくらでも勝てるということだよな。僕はプーチンの暴走とこの円安を結びつけるシナリオは持ってなかったが、勝てば官軍である。

相場の状況 4/28

予想を超える速度の円安。3月に円安傾向がはっきりしたあと、FX口座でレバレッジ5~10倍の範囲でポジションを増減しながら常にUSD/JPYロングを厚く持っていたんだが、それが大きな利益を産んでいる。ただしそれは個人的には、であって、日本の利益ではないのが残念なところ。

とりわけ、日銀が「指値オペを毎日やる」としたのは悪手だと思う。いったん始めてしまうと、指値の変更・取消をするには相当の理由を市場に説明する必要があるが、それはたいへん難しい。とりわけ廃止は、その後マーケットでの価格がどれだけ飛ぶか予測不能になるのでほぼ永久にできないだろう。

なのでまだまだJPYショートで稼がせてもらいます。この戦術に穴があるとすれば、突然プーチンが失脚か病死して、ロシアに穏健な政権ができて世界的インフレが鎮静化する、ということくらいしかなさそうだが、その可能性は短期的にはないし、あってもそれなりの時間をかけて実現することなので、いざとなればポジションを閉じて脱出すればいい。

相場の雑感4/19

円安を止めるだけなら簡単である。日銀が政策を修正し金利を引き上げればよい。

だが金利を上げれば政府債務は急速に膨れ上がって大増税でしか回避できない。ならば低金利のまま円安が進むに任せ、輸入物価の上昇を起点にインフレにして値上げ・賃上げラッシュを起こせば、名目GDPと税収は増えるから政府債務の発散を押さえることができる。

まあこれが基本路線だろうと思う。老人の普通預金を犠牲に将来世代が生き残る作戦。

後出しと言われるだろうけど、ひとたび世界的インフレを引き金に円安が始まれば容易には沈静化できないだろう、というのは実は5年くらい前から持っていた読み筋である。自分の生きているうちにそれが現実になるかは五分五分と思っていたが、間に合ったのは良かった。その心理的準備があったので、3月中旬からFXで厚くUSD/JPYロングを取って大成功になった。さすがに、ウクライナ侵攻がきっかけになるというのは2月時点では予想できなかった。

とにかく、大胆な政策変更、たとえば

  • コロナ対策撤廃で外国人観光客無制限受け入れ:円安だしお祭り騒ぎになると思うよ。個人的にはこれがおすすめ。
  • 原発をバンバン動かして化石燃料輸入をやめる
  • 日銀が政策転換して利上げする

のどれかがあるまで円は安くなりつづける。どれもありそうもないので、今からでも遅くないから円ショートがお勧め。

4月11日 ひずみを感じる

今日も一段と円安が進んでいる。日経平均は、3月中旬に急上昇した当時の価格帯に接近してきたので、ここからさらに下落するとなると速度は速いのではないか。なんとなく、ではあるんだが緊張感の高まりを感じる。もうちょっとこのへんを数値で分析できるといいのだが…

資源高と金利高で円安と株安、というのは分かりやすい展開だが、ここにリセッションの動きが加わるとややこしい。確かアベノミクス相場の終盤、中国経済が旧失速して急激に原油安・円高になったんだっけか。あの時は円安に賭け続けて失敗したので今回も追い過ぎないようにしないと。

2022年4月の相場の見通し

驚異的な円安のあと静かな相場になっているが、この先どうなるかをちょっと真面目に予想してみる。

まず鉄板なのは円安傾向の継続。どこかで見た比喩だが、ある程度まともな運営をしているUSDがビットコインとすれば、金利を0に張り付かせて日銀が簡単にマイニングできているJPYはいい加減な草コインのようなものなので、もはや円安になるのは当然なのである。

シナリオ1 資源高からの不況の足音

一番ありそうなのはこれ。そろそろ資源高に端緒を発する景気減速がはっきりしてくる頃だろう。かといって、アメリカが利上げ姿勢を改めるほどには景気は悪くないだろうから、株価(とくに高PERのもの)の上値は重いだろう。特に日本株は、3月下旬の急激な円安のとき株価もなぜか急騰したので、その反動もあって上がりにくいのではないかと予想。コールの売り中心で攻める。

シナリオ2 ロシアの急激な態度変化

僕の場合、相場の収益の過半はオプションの売りから出ているので、相場急変は常に敵なのである。ロシアの急速な態度の変化(軟化・硬化とも)に伴う相場の急騰・急落の危険は常にあり、これは事前予想不可能なので、イベントが発生したらヤバいポジションは速やかに解消する。大きめのポジションがあるときは寝る前に逆指値入れておく。

シナリオ3 まさかの日本金融緩和路線修正

確率はほぼ0だが、「金融緩和路線を少し緩めそうな臭いを発する」だけでも今の情勢だと効果絶大に円高株安だろう。どこかのタイミングでは、円安とそれに伴う物価高への対応のために日銀の動き出しがあるんだろうが、黒田さん代でそれの筋道をある程度つけるくらいのことをするかどうか。

まとめ

  • 円安狙いはキープ。もし円高局面あればポジションサイズアップ。
  • 株価はだらだらした動きを予想。コール売りメイン。
  • もしロシアイベントでの急変があれば、影響一巡を待って逆張り。

個別銘柄の話も書きたかったが今日はもう時間的余力がない…

2022年3月 円安の嵐

自慢からさせてもらうと、この流れは読んでたんですよ。何かの構造的要因で円安になれば、貿易赤字の拡大がさらなる円安を呼ぶ一方、政府・日銀は低金利政策を維持するしかないので円安を食い止める手立てを持たず、これが投機的な円安をさらに加速するというやつ。

一方、円高になる要素はあまり見当たらないので、FXで円ショートをのポジションをとってこのチャンスを狙いつつ、3月中旬にこの流れを確認してからポジションサイズを3倍にアップ、加えて今日の日銀の指値オペの件をネタにさらに円安が進み、アベノミクスのピーク時に迫る水準まできました。

この一連のFX取引で今月の利益は2000万円到達、株ではうかつなところでショートしてしまったせいで500万マイナス、これは滅多にない動きだし仕方ない。

去年はイーサリアムが稼ぎ頭だったが今年は為替に注目だなあ。本当に相場は面白い。

でもこれは日本が二流国に転落する明確なシグナルとして歴史に刻まれる気がします。この転換点にリアルタイムで立ち会ってるのは感慨深い。

かつてタイやベトナムやインドネシアは物価と労働力が安くて飯が旨い国としてもてはやされてましたが、世界の中での存在感としては日本はそれらの国と同等か、へたするとそれ以下になりかねない。

何のためにトレーディングで稼ぐのか

それはもちろん、リアルマネーの絡んだ楽しいゲームだから、ということなのですが、最近のFIREブームと絡めてちょっと言いたいことがあります。FIREの目的は概ね正しいと思います。定年退職するころになって退職金で初めてまとまった資金を手にしても、もう楽しいことにそのお金を使うには年齢的に遅いので、もっと若いうちに資金を確保したほうが人生楽しくなる。それはそのとおりでしょう。

しかし、目的を実現するための手段が、倹約やらインデックスファンドやら不動産投資、というのは明らかに非効率です。特に若い世代は、投資の元手が少ない一方、通常の仕事でも充分に稼ぐことができるので、こういう人たちにこそ危険な投機的取引に挑んでほしいと思います。

チマチマと年5%の利益の運用をする場合、2倍に増えるのに複利で約14年かかります。一方、信用取引で仕手株に全力投入して勝利すれば、2~3日で資金を2倍にするのは珍しくありません。これによって目標の資産を構築するのにかかる時間を大幅に削減できる効果はきわめて大きい。みなさんも、もし14年前に戻れるならやり直したいことはたくさんあるでしょう? 時間を稼ぐというのは莫大な価値があります。

しかも、もしそういう投機的取引で負けたとしても、資金が少ないうちは通常の仕事で得る稼ぎによって簡単に補填できます。

運用額が大きくなるほど、負けた場合に実業で補填するのは難しくなります。なので投資の初心者にこそハイリスク・ハイリターンな投資を勧めたいです。勝てばもちろんすばらしいし、負けても短期で回復可能、というならやらない理由はありません。資金が大きくなるにつれて徐々にローリスク・ローリターンな方向にシフトするのがいいでしょう。

ハイリスク・ハイリターンな銘柄を発掘するのにTacticoを役立ててもらえれば、それほど嬉しいことはありません。

ついでにいうと、FIREしてもいい資産ができたとしても、仕事はやめないほうがいいです。仕事で得られるものというのは金銭だけではありません。自分の興味のあること、社会的な意義を感じること、を基準に何をするかを自由に決定できる権利を持つ、というのが資産作りの目的と思います。金のため「だけ」の仕事から解放されること、と言い換えてもいいです。

今の僕がまさにそうですが、このTacticoであったり、Launchable社に参加したりしているのは、やることに意義を感じるからです。なので日々とても楽しいです。