2022年3月 円安の嵐

自慢からさせてもらうと、この流れは読んでたんですよ。何かの構造的要因で円安になれば、貿易赤字の拡大がさらなる円安を呼ぶ一方、政府・日銀は低金利政策を維持するしかないので円安を食い止める手立てを持たず、これが投機的な円安をさらに加速するというやつ。

一方、円高になる要素はあまり見当たらないので、FXで円ショートをのポジションをとってこのチャンスを狙いつつ、3月中旬にこの流れを確認してからポジションサイズを3倍にアップ、加えて今日の日銀の指値オペの件をネタにさらに円安が進み、アベノミクスのピーク時に迫る水準まできました。

この一連のFX取引で今月の利益は2000万円到達、株ではうかつなところでショートしてしまったせいで500万マイナス、これは滅多にない動きだし仕方ない。

去年はイーサリアムが稼ぎ頭だったが今年は為替に注目だなあ。本当に相場は面白い。

でもこれは日本が二流国に転落する明確なシグナルとして歴史に刻まれる気がします。この転換点にリアルタイムで立ち会ってるのは感慨深い。

かつてタイやベトナムやインドネシアは物価と労働力が安くて飯が旨い国としてもてはやされてましたが、世界の中での存在感としては日本はそれらの国と同等か、へたするとそれ以下になりかねない。

Tactico再始動

まずはじめに、皆さまに謝らなければなりません。

僕がTacticoという名前で株価のチャート表示とスクリーニングをするWindowsデスクトップ向けアプリをフリーソフトとして公開したのは記憶が定かでありませんが2005~2006年かと思います。前身のOmegaChartは2001~2002年あたりでしょうか。

しかし公開後、きちんとメンテナンスする意欲を失ってしまい放置状態になってしまったのですが、それにも関わらず現在に至るまで少数ながら継続使用しているユーザがいることは認識していました。そういう貴重なユーザと真剣に向き合ってこなかったこと、またこのソフトウェアの潜在的需要があることを見逃してきたこと、かつその状態を長期間放置してしまったことはお詫びいたします。たいへん申し訳ない。

しかし、当時の経緯など全く知らないという方も多いでしょうから、このソフトウェアでできることをまず簡潔に説明してきます。

  • 強力かつ柔軟なスクリーニング。上昇率ランキングのような単純なものはどの証券会社のツールにもありますが、Tacticoではスクリプトを書くことでさまざまなスクリーニングを柔軟に記述できます。スクリーニング内容を他のユーザとシェアすることとも簡単です。
  • 複数銘柄のチャートを一括表示できます。特に32インチ以上の大型ディスプレイなら、50程度の数の銘柄のチャートを一覧表示可能です。これは投資家にとっての銘柄発見機能を強化します。

さて先ほどの話に戻ると、放置してしまった理由はいろいろあります。リーマンショックで金銭的に厳しい状況に追い込まれたこと、子供が4人もいて余暇的なプロジェクトをやる余裕がなくなったこと、自分の技術的興味が他に向いてしまったことなど。その間も、「いつかはTacticoを何とかしなければ」というのは心の片隅に常にありました。

なお、「心の片隅に常に」あったのは、数カ月に1回ずっとやってくる、「マウスホイールで銘柄がクルクル探索できるのが気に入っている」というフィードバックでした。そこまで好評になるとは予想せずに実装したちょっとした機能なんですが、これがなかったら永久に放置していたかもしれません。確かにこれも他社のツールにはないポイントです。

そんな具合に長期間もやもやしていたんですが、時間の経過とともに状況は変わるもので、数年前からの仮想通貨への集中投資でFIREといっていい状態になったり、子供の成長とともにだんだんと細切れながら時間的余裕ができたりで、ひっそりとTacitco再始動の活動を始めたのは昨年初めくらいのことです。

そしてようやく、一般のユーザに使ってもらえるくらいになってきた、というわけです。長らく放置していたついでに、アーキテクチャをクラウド時代のWebアプリとして一新しましたが、ソフトウェアの思想は当時と全く変わっていません。以下3カ条です。

  • 株式投資は極めて面白いゲームである。作戦を立て、実行し、結果を検証するのは第一級の知的活動であるうえ、成功すれば金銭的成功がついてくる。Tacticoはこの面白さを感じる「自ら考える投資家」のためのツールである。
  • Tacticoはテクニカル分析(正確には、過去の株価データから計算可能なデータのみに注目する分析)に特化する。コンピュータの力を使ってテクニカル分析を最大限に効率化する。
  • 過去の株価推移を人間の感情に伝えるグラフィック技術を究める。単なるローソク足の羅列を超え、人間の感性に訴える表現方法がいろいろあるはずなので研究する。むろん、感性は人それぞれなので唯一の正解があるものではないが、映画のマトリックスやレディ・プレイヤー・1に張り合えるレベルを探求したい。

 まだ再始動プロジェクトは始まったばかりです。今度はユーザのフィードバックのある限り放置することはありませんので、言いたいことのある方は遠慮なく意見をお寄せください。ソフトウェアは作る側・使う側の双方の意欲が揃ってはじめて発展するものです。よろしくお願い致します。

何のためにトレーディングで稼ぐのか

それはもちろん、リアルマネーの絡んだ楽しいゲームだから、ということなのですが、最近のFIREブームと絡めてちょっと言いたいことがあります。FIREの目的は概ね正しいと思います。定年退職するころになって退職金で初めてまとまった資金を手にしても、もう楽しいことにそのお金を使うには年齢的に遅いので、もっと若いうちに資金を確保したほうが人生楽しくなる。それはそのとおりでしょう。

しかし、目的を実現するための手段が、倹約やらインデックスファンドやら不動産投資、というのは明らかに非効率です。特に若い世代は、投資の元手が少ない一方、通常の仕事でも充分に稼ぐことができるので、こういう人たちにこそ危険な投機的取引に挑んでほしいと思います。

チマチマと年5%の利益の運用をする場合、2倍に増えるのに複利で約14年かかります。一方、信用取引で仕手株に全力投入して勝利すれば、2~3日で資金を2倍にするのは珍しくありません。これによって目標の資産を構築するのにかかる時間を大幅に削減できる効果はきわめて大きい。みなさんも、もし14年前に戻れるならやり直したいことはたくさんあるでしょう? 時間を稼ぐというのは莫大な価値があります。

しかも、もしそういう投機的取引で負けたとしても、資金が少ないうちは通常の仕事で得る稼ぎによって簡単に補填できます。

運用額が大きくなるほど、負けた場合に実業で補填するのは難しくなります。なので投資の初心者にこそハイリスク・ハイリターンな投資を勧めたいです。勝てばもちろんすばらしいし、負けても短期で回復可能、というならやらない理由はありません。資金が大きくなるにつれて徐々にローリスク・ローリターンな方向にシフトするのがいいでしょう。

ハイリスク・ハイリターンな銘柄を発掘するのにTacticoを役立ててもらえれば、それほど嬉しいことはありません。

ついでにいうと、FIREしてもいい資産ができたとしても、仕事はやめないほうがいいです。仕事で得られるものというのは金銭だけではありません。自分の興味のあること、社会的な意義を感じること、を基準に何をするかを自由に決定できる権利を持つ、というのが資産作りの目的と思います。金のため「だけ」の仕事から解放されること、と言い換えてもいいです。

今の僕がまさにそうですが、このTacticoであったり、Launchable社に参加したりしているのは、やることに意義を感じるからです。なので日々とても楽しいです。

チームプレイとソロプレイ

これはどちらかというとエンジニア向けの記事です。

僕は、フリーランスのソフトウェアエンジニアとしてかれこれ20年近く生きてきました。今でこそフリーランスは珍しくないですが、僕がそれを選択した当時はけっこう珍しい存在だったと思います。そうした理由は複数ありますが、

  • 一つの会社に縛られるよりも幅広い製品・ソフトウェア技術の経験が得られるし、人脈も広く薄く広がりやすい。僕のような日々チクチクとコーディングするのが三度の飯より好きで、組織のしがらみから距離を置きたい、というタイプの人間には向いてます。
  • 純粋に稼ぎが良い。長期雇用契約よりフリーランス契約のほうが時間あたりの報酬は高くて当然だし、加えて僕は(今より若くて体力あったので)「リモートかつ週3日稼働の契約を4本同時稼働させて全部のクライアントを満足させる成果を出す」みたいなこともしてました。週12日労働ですが若ければ余裕です!
  • 若いうちに前倒しで稼ぎ、それを相場で増やしたほうが効率的。ジジイになってから退職金でゴソっと貰っても意味ねーじゃん? 短期的に税金が高くなるのを考慮してもそっちが有利っぽい。

あたりです。

 2015年あたりからは、移動の時間がもったいないのでミーティングもできるだけオンラインでやり、直接会うのはどうしても必要な場合に限る、という流儀にしていたので、コロナになってからやっと時代が俺に追い付いてきたか、と思いました。

とはいってもフリーランスのデメリットもあります。

  • チームでなければ関われないような大規模なプロジェクトには関わりづらい。
  • 大きい会社の幹部職を狙うライフプランの人には向かない。
  • そのプロジェクトに専念しているメンバーに比べると精神的なコミットメントが少なくなるので、「同じ釜の飯を食う」連帯感の醸成はしづらい傾向がある。パートタイムのメンバーだけから構成されるプロジェクトなら問題はないが、フルタイムメンバーと混成の場合、意外とこれは重要です。

でもまあ長いようで短い仕事人生なので、ある時期には1プロジェクトに専念、別の時期には複数プロジェクトのかけもち、のように幅広く構えるのがいいと思います。1つの会社だけに縛られすぎると、その社内でしか生きて行けず、社外に出ると何の値打ちもない人間になってしまいますからね。それはどうしても避けなければいけない。

 さらにいうと、それに加えて「独自に企画し、リスクとリターンを自分で背負うプロジェクト」の経験が非常に重要です。僕にとってはTacticoがそうです。ソロで1プロジェクトやると、エンジニアリングだけでなく、宣伝やユーザサポートまで全部一通り経験できるし、面白い新機能を思いついたら誰の了解を得ることなくシュッと実装に入れる身軽さはとてもよい。

 チームプレイの重要性を否定するものではありませんが、ソロで1プロジェクトやる経験が将来のチームプレイにプラスの効果を産むというのは確実にあります。

 最近(2022年2月)、配信が始まって話題を呼んだJUNKHEADという映画があります。これに顕著ですが、ソロでやったプロジェクトは良くも悪くも強烈な「臭い」が出ます。MARVELで量産されている何本もの似たような映画たちとは、明らかに1本あたりの重みが違います。それと同様に、ソロで生み出された多数のソフトウェアプロジェクトが世の中にあることによって、後進のソロプレイヤーも育つようになり、世の中がより面白くなると思います。

ソロサウナのすすめ

このブログにはカジュアルな話題も書こうと思っています。

世は空前のサウナブームですが、僕も今やけっこうなサウナーであります。以前はサウナチャンスというと銭湯に行くときであり、大抵は子連れで行くので、滅多にチャンスはありませんでした。

しかし、自宅からチャリで5~6分のところにソロサウナTUNEができたことで状況は一変し、定期的に通っています。本当は寝る前とかにいきたいのだが、子供がいるとそうゆっくりもできず、平日昼間で子供が学校に行っている時間帯を利用してます。

ソロサウナのいいところは、感染防止というのもいくらかあるが、「脳をクリアにする」効果が大きい。ここに入っている間は何も考えないようにして雑念を払うのがよい。禅みたいなものですかね。普通のサウナだとどうしても他の人の動きに影響されるところがあるが、ソロサウナはこれがないのがよい。料金はたしかに割高だが、サウナ好きは少なくとも1回は行く価値がありますよ。

欠点は予約がとりづらいことである。最近は若干マシになってきたが、午前11時に2週間後の日の予約が解放されるのでそこを狙うか、利用者が現地で予約する場合に限り4週間後までの予約が可能なのでそれをフル活用することになる。でもそんな先の日のスケジュールははっきりしてないことも多くやりづらい。

なお最近発見したが、午前10時からの80分枠は、9:50~9:55あたりに行ってもすぐ入れるのでちょっとお得である。